大会後、約束どおりあたしは

圭吾の話を聞いた。

「優勝おめでとう、圭吾。」

「ありがとう、まりあ。」

「それで話って?」

「夏休みの間、俺のために毎日お弁当
作ってくれてありがとな。美味しかった。」

「別にいいよそんなこと。」

「…俺さ、今まで女子と話したことあまりなかったんだ。ほら、女子ってさなんか面倒だろ?それが嫌でさ。」

「圭吾?」

「でも、まりあは違った。俺が出会った女子の中で、1番可愛くて、優しくて、思いやりのある子だと思う。」

「そんなこと…。」

「好きだよ、まりあ。今まで出会ったどの女子よりも。」

「圭吾…。」

「陸上馬鹿できっと、まりあをいつも優先するなんて言い切れない。でも、1番に大切にする。…俺と付き合ってほしい。高校も別々で寂しい想いをさせるかもしれない。でも俺は…。」

「もういいよ、圭吾。」

「まりあ?」

「…あたしも圭吾が好き。だから、圭吾の想いを信じてる。」

「まりあ。」

「別々の高校に行っても、離れていても、あたしと圭吾の想いは1つだよ。」

「ああ。その約束だけは守るよ。」

あたしたちは、誰もいない

控室でキスをした。

「まりあ、もう1度聞く。
まりあの夢は?」

「何度聞いても答えは一緒。
あたしの夢は圭吾の夢が叶うこと。」