明日は本番。今日も汗を流しながら、

グラウンドで走る彼がいる。

私は彼の側にいった。

「お疲れ様。お弁当持ってきたよ。」

「神宮さん。ありがとう。」

「早瀬くん、あたしのこともう
"まりあ"って呼んでいいよ。」

「じゃあ俺は"圭吾"でいいよ。」

あたしたちは、お互い名前で

呼び合うことに少し照れ臭かった。

「いよいよ明日だね。大会。」

「ああ。すげー緊張してる。」

「大丈夫だよ。絶対に。」

「まりあがそう言ってくれると、
本当に勝てそうな気がしてきたよ。」

「圭吾…。」

「……あの…さ。」

「なに?」

「大会終わったら、言いたいことが
あるんだけど。」

「え?」

圭吾の顔は少し赤くなっている。

「時間いい?」

「う…うん……。」

何だかあたしまで赤くなってきた。

「じゃあ俺、明日に備えて帰るわ。」

「また明日ね。」

圭吾と別れ、あたしも家に帰った。

明日、圭吾が試合で勝てるように、

祈り続けた。