海斗サイド~・~・~

ねぇ、神様、どうして?

どうして、綾香がいつも・・・。

綾香。

綾香。

ごめん。

君はまた俺をかばって、傷ついてしまうのか?

お願いだから・・・無事でいて。

「かぃ・・・とぉ・・・」

そして、綾香が俺の名前を呼んだ。

「綾香っ」

「海斗・・・。あ、の、ね・・・」

「ん?」

「きいて、ね・・・」

「うん、ちゃんと、聞くよ」

「ごめん、ね・・・」

「え?」

「たくさん・・・傷つけて・・・」

俺は綾香の手を握った。

綾香も握り返す。

「綾香っ」

「あ、り・・・が・・・と・・・」

それから、綾香が俺の手を握りしめる事はなかった。

そして、これが、綾香の最期だったー・・・。