「…お父さん、お母さん…行動早い…ね」

杏お姉ちゃんは、驚き&苦笑いで聞いている。

すると、お母さんは

「当たり前よ!だって、ほらあれよ、あれ―――」

「「「善は急げ!!」」」

お父さん、お姉ちゃんそして私の声がハモり皆で大笑い。

「アハハ、それより早く乗らないと本当に置いてくぞ!」

お父さんはそう言うと、窓を閉め出発の準備をした。

「ちょっと…!!ほら、栞奈行くよ」


お姉ちゃんは、私に手を差し出した。

「うん!!」

私は返事をすると、お姉ちゃんの手を握った。


それが、お姉ちゃんと手を繋ぐ最後の日だった。


――もう、二度握る事が出来なくなるなんて、思いもしなかった――