なんて事を考えてると後ろから声が聞こえた。

「…栞奈ちゃん??」

私は声がする方を向く。

「…野崎君」

そこには、こちらを不思議そうに見つめる野崎君の姿があった。

なんで野崎君がここに??

「なにしてるの??」

「ジョウロに水を汲もうとしたんだけど、蛇口が硬くて」

私は、ジョウロを見てから蛇口を見た。

すると、野崎君は水道に近づき蛇口をひねる。

-ジャー-

野崎君は、片手で楽々と蛇口を開けた。

…嘘。
私あんなに苦労したのに。

「簡単じゃん!これ開けられない栞奈ちゃん、可愛すぎw!!」

と、笑いながら私が持っていたジョウロに水を汲みはじめる。

…可愛い?
私が??
無表情なのに??

野崎君って、目が悪いのかな?
メガネしてないし。


なんて事を思ってると、野崎君が水でいっぱいになったジョウロを片手に、

「これ、あそこの花壇まで持って行けばいいの?」