「隣の県から引っ越して来ました、野崎太陽です!皆と早く友達になれたらいいなと思ってます!!」

…朝の人だ。
多分…確率は100%じゃないけど、99%くらい…。

それにしても、あの人モテるんだ…。

さっきから、女子のあつい視線がおくられている。

"野崎君、イケメンぢゃない!?"

と言う声も。

「はい、それじゃあ野崎君は…あそこの空いてる席に座って!」


そう言って、相沢先生が指さした先は私の隣。

…嘘…。
最悪なんだけど…。

野崎君は私の隣に座り、

「よろしくね!えっと…」

「……成瀬栞奈」

「栞奈ちゃん!…あのさ、俺と朝ぶつかった??」

…100%この人だ。
私は鞄の中から朝拾ったキーホルダーを出した。

「これは、あなたの」

「そう!これ!あぁ…よかったぁ…ありがとう!!」

本当に大切なものなんだ。

野崎君の笑顔って、なんか空の太陽みたい…。

私とは大違い。

-キーンコーンカーンコーン-

「はい、以上でHRを終わりにしまーす!」


その合図で再び教室が賑やかになりはじめる。



――この日から私の砂時計が進み始める。