青空バスケ


「アンタ達ね、フラれたからって女の子追いかけ回すってどういう神経してんのよ」


フラれた……。

栞奈に告白したのか……コイツら。


「……本当にすみませんでした」

「……以後気を付けます」


もう一度謝らせると姉御は二人を体育館から追い出した。

二人が出ていくと、栞奈は安心したように俺から離れた。

まだ目が赤くてウサギみたいだ。


「楓先輩……」

「栞奈~っ!!」


姉御が栞奈に抱きついた。

さっきまでの恐ろしい雰囲気から一転、妹のように栞奈を可愛がる姉御を見てみんなポカンとしてる。


「……何でお前の先輩って変わってるのが多いんだ?」

「……谷先輩は普通だった。
おかしいのは杉崎先輩と姉御……楓先輩だけ」


姉御はああ見えてすごく選手思いの良いマネージャーなんだ。

そんな姉御は部員全員から慕われていた。