何事かと思っていると……見覚えのある姿が目に入った。
……ウソだよな?
お願いだ……誰かウソだと言ってくれ。
その人物はツカツカと歩いて来ると、ドサッ!!と俺達の前に何かを投げ捨てた。
その投げられたものを見るなり、栞奈はさっきより強く俺に抱きついてきた。
「人……?」
投げられたのは二人の男子高校生……。
……何でやねん。
「ハッ。
あたしの可愛い後輩に手を出した罰よ」
仁王立ちで偉そうな口調でそう言う他校の制服を着た女子高生……。
……いや、姉御だ。
「……誰だ?あれ」
「鈴山先輩、知ってますか?」
「いや……。
……でも、あの大和の反応からすると……」
またお前の知り合いかよ……みたいな視線を感じる。
……そうだよ、知り合いだよ。
先輩だよ。マネージャーだったんだよ。
「楓……先輩」