「大和にすげぇ懐いてるウサギみてぇ」

「違うよー、レイレイ。
カンちゃんはチワワ」

「ウサギでもチワワでもどっちでもいいけど……栞奈、何があったんだ?」


鳴瀬先輩が優しくそう聞くと、栞奈はゆっくりと口を開いた。


「男の子っ……二人っ…」

「男が二人?」

「……追いかけてきたっ……」


男が二人追いかけてきた……。


「え……鬼ごっこですか?
……ちょっ……いたっ!
先輩達みんなで殴らないでくださいよ!」

「んなわけあるか、バカかお前は」

「南雲先輩が怖い~……」


とりあえずアホな翔太はほっといて……と思っていると……

バン!!

と凄い音がして体育館の扉が開いた。