「高瀬先輩ー!!
今日も俺と勝負してください!」


部活終了後。

今日も花井君が大和に勝負をお願いしていた。


「またかよ……。
アイツら、部活が終わる時間だって分かってんのかよ……」

「まぁまぁ、愁ちゃん。
仲良しなのはいいことじゃん」

「そういう問題じゃねぇっつーの」


はぁ~、とため息をつく鳴瀬先輩。


「あれ?
カンちゃん、もう帰るの?」

「はい。今日は帰りにお使い頼まれてるんで。
あ、鳴瀬先輩。これ、部誌です」

「お疲れ。また明日な」

「お疲れさまです。
失礼します」


あたしがそう言って帰ろうとしたそのとき。

後から声がした。


「ちょい待ち!!
栞奈、俺も帰る」

「え?だって花井君と1on1するんじゃないの?」

「そうっスよ、先輩!」

「翔太、明日な。
俺もう帰る」

「えぇっ!?!?」


大和は花井君にそう言うと、足早に部室の方に行ってしまった。


「大和はカンちゃん依存症だねー」

「相沢先輩、何ですか?それ」

「そのまんまの意味だよ」

「俺、岬先輩には敵わないっス。
いつも高瀬先輩取られちゃうんだもんな~」


あはは……。

ごめんね、花井君……。