「でも……だからかな。
大和に撫でてもらうと安心するんだよね」
「……ま、ずっと一緒にいたからな。
栞奈の隣が……一番落ち着くし」
俺がそう言うと、栞奈は少し驚いた顔をした後に嬉しそうに笑った。
「あーっ!!
もう我慢できないっす!!」
突然、部屋の外から大声がしてドアが勢いよく開いた。
「バーカ!!翔太!!
お前、空気読めよ!!」
鳴瀬先輩がパシン!と翔太の頭を叩く。
「だって、ロッカールームでずっとイチャついてるんですよ!?
俺だって岬先輩とイチャつきたいです!」
「そこかよ!!
お前、そんなに栞奈のこと好きだったのかよ」
「大好きっす」
「あたしも好きだよ。
花井君のこと」
「マジですか!?
じゃあ、俺と……ったぁ!!
高瀬先輩、酷いっす!!」
まったく……コイツは。
天然たらし、翔太め。
「……大和」
「蓮……」
先輩達が騒ぐ中、ただ一人……蓮だけは真剣な眼差しで俺を見ていた。