……あたしは悔しそうに強く握られた拳をそっと包んだ。
大和が驚いたようにこっちを見たから、静かに笑いかけた。
少し落ち着いたのか、強く握られた拳はゆっくりと開いていく。
「……アキ君」
「事実だ。
栞奈も知ってんだろ?」
「それでも、アキ君はそんな風に言う人じゃない」
知ってるよ。
アキ君が強いこと。
でも……違う。
こんなのアキ君じゃない……。
「……これが俺だよ」
「違っ……」
「栞奈。
メール、嬉しかったよ。
……ありがとな」
そう微笑んで、あたしの頭をポンッと撫でると……アキ君は行ってしまった。
……大和はアキ君の方は見てなかった。
ずっと下を向いて体育館の床と睨めっこをていた……。

