「……嫌われてもいいと思ってた。
大和がライバルとして本気でぶつかってきてくれる日が来るなら……。
っ……でもやっぱ……キツいな……これ」


止めどなく溢れる涙……。

三年分の……暁弥が溜め込んできた気持ち。


「……俺さ、情けないけど……大和と栞奈がいなきゃダメみたいだ」

「アキ君……」

「大和がバカみたいにバスケの話ばっかりして……栞奈がいつも笑顔で俺達の側にいてくれて……。
そんな……そんな日常がどれだけ特別でかけがえのないことかって……よく分かった」


隣にいる栞奈の目が潤んでることに気がついた。

……本当、よく泣くよな。

泣かせてるのは俺達なんだけどな……。


「大好きなんだよ……大和も栞奈も……。
俺にとって……これ以上にないぐらい……大切な存在なんだよ……」


とうとう栞奈の目から涙がこぼれ落ちた。

……俺も泣きそうだった。

もうどうしようもない……この涙。


「っ……アキ君!」


栞奈が暁弥に抱きついた。

暁弥は驚きながらも栞奈を支える。


……二人の顔は涙でボロボロだった。


「ごめんっ……本当に……ごめん……っ……」


泣きながら謝る暁弥。

……もう謝罪なんていらない。

暁弥の気持ちは十分分かったから……。


三年間で広がった溝が……一気に縮まった気がした。