……ゴールから落ちたボールを見ながら固まる俺。

俺だけじゃない……部員全員。


「……大和」


後ろから鳴瀬先輩の声が聞こえた。


「鳴瀬……先輩」


鳴瀬先輩はポン、と優しく俺の肩の上に手を置いた。


「……よく頑張ったな」


……近くから喜ぶ声が聞こえる。

その中心にいたのは……暁弥だった。


ふと、コート内を見渡した。


相沢先輩……南雲先輩……蓮。


みんな肩を落としてうつ向いている。


「先輩……俺……」

「……何も言うな。
お前の悔しさはよく分かってる」


……本当は……一番悔しいのは先輩のはずなのに。


「ほら、お前ら!
そんなに落ち込むなって。
頑張ってやった結果だ。
悔いはないだろ」


……何で……そんなに明るく振る舞えるんですか。


俺にはまだ来年がある。

……だけど、先輩達にとっては最後のチャレンジだった。

一番悔しくて……泣きたいはずなのに。


「そうだねー。
俺ら頑張ったもんねー」

「大和、蓮。
そんな情けねぇ顔してんじゃねぇよ。
ぶっ飛ばすぞ」


……なのに、どうして――