「翔太……落ち着け。な?」

「で、でも俺っ……決勝戦で……しかもこんな大事な場面で出されたの……初めてですしっ……」

「翔太」


オロオロする花井君に大和が優しく声をかけた。

花井君は不安そうな目で大和を見る。


「大丈夫だ。
いつも俺と1on1してだろ?
……あの時みたいに楽しんでやればいい。
変に肩に力を入れるな。
リラックスしろ」

「せんぱい……お、俺……やります!」

「うぉっ……!
ちょっ……くっつくなって!」


大和にタックルをかます花井君。

ちょっと苦しそうにしながらも嬉しそうな大和。


「翔太って本当に大和のこと好きだよな~」

「大和も満更でもなさそうだけどね」

「あれ?岬、妬いてる?」

「そ、そんなわけないじゃん!
蓮ちゃんのバカ!」


ニヤニヤする蓮ちゃん。

妬いてなんてないもん。

微笑ましいなって見てただけだもん!


「蓮」

「んぁ?大和?」


大和はポン、と蓮ちゃんの肩を叩いた。


「……任せた」

「……おう!」