「……岬。
お前は中山暁弥の同級生だったらしいな。
……高瀬と中山。一番近くで二人を見てきたお前からすると、どちらに軍配が上がると思うか?」


隣にいた監督が突然そんなことを聞いてきた。

大和とアキ君……。


「中学時代はアキ君……中山君の方が上でした。
ですが、今は分かりません。
大和はどの選手よりも中山君のことをよく知ってます。
……逆を言うと、中山君も大和のことをよく知ってます。
……この試合、どうなるか分かりません」


あたしは横目で蓮ちゃんと話してる大和を見た。

あの頃より背も伸びて、大人っぽくなった大和。

アキ君が辞めてから、いろんなことを経験してきた。

一回りも二回りも成長した大和。


「……蓮」

「ん?」

「さっきの試合さ、負けたら抹茶豆腐ヨーグルト×10だったろ?」

「そういやそうだったな。
忘れてたけど」

「……これもあんのかな」

「……嫌なこと言うな。
いや、負けないけどさ。
勝つつもりでいくけど」

「俺だってそうだよ。
……でも、あれ一箱を三日間で完食するのは恐怖だぞ。
たまに意識が飛びかける……」


……うん、成長してるはず。