栞奈side

……決勝戦。

これに勝てば去年は行くことのできなかった決勝リーグに進むことができる。

みんなの顔は真剣そのもの。

……中でも、大和は少しだけ楽しみにしてる様子が伝わってきた。

三年ぶりだもんね……アキ君と勝負するのは。


……頑張って。


そう心の中で呟くと、大和がこっちを向いた。


「……見てるから」

「……栞奈」

「アキ君との試合。
二人が向かい合って勝負するの……久々だから。
だから……ちゃんと見てるよ」


きっと三年前と今の勝負は違う。

仲間として一緒に頑張ってたあの頃と、完全に敵として戦う今。


……でもね、ずっと繋がってるから。


ライバル。仲間。親友。


三つの言葉が二人の間にはある。

そのどれもが正しくて、どれもが二人にとってかけがえのないもの。


青桜に勝ってほしいのはもちろんだけど、大和とアキ君の二人には……頑張ってほしい。