「……それでも暁弥はごまかしながら何とかやってきた。
だけど……それにも限界がきた。
それがあの決勝戦の日だ」
―朝起きたら左肩が上がらず……とてもバスケができる状態じゃなかったらしい―
谷先輩の言葉が、俺の胸へ深く突き刺さる……。
……あの日。
暁弥は試合に来なかったんじゃない。
……来れなかったんだ。
行きたくても……行けなかったんだ。
「……でも」
栞奈が小さな声で口を挟んだ。
その目はとても真剣だった。
「あの時……アキ君、ボール投げたじゃないですか。
すごい豪速球で……」
……そうだ。
確かに暁弥はボールを投げていた。
利き手であり、故障した肩である……左手で。
肩が上がらなかったなら、何で……。
「……投げたんだよ、無理してまで」
谷先輩が暁弥を見ながら言った。
暁弥はその視線から逃れるようにそっぽを向いた。

