残念ながらハル兄は初戦敗退だったけど、その試合で俺達の考えはガラリと変わった。


「大和!
バスケって面白いね!」

「だろ?
でも、インターハイってすごいよなー。
俺、あんなカッコイイバスケ初めて見た!」

「いつか大和も出れたらいいね!」

「絶対出る!
だから応援してろよな」

「うん。応援してるよ。
あそこで」


そう言って栞奈が指差したのは、よく覚えてないけど多分マネージャーがいた所だったと思う。

そのとき栞奈は笑顔で俺に言ったんだ。


「一番近くで応援してるからね!」


栞奈はいつでも俺を応援してくれた。

あのとき言った通り、一番近くでいつも。

そしてあのとき……俺は栞奈と約束したんだ。


「一緒に行こうな!
インターハイ!」

「うん!約束だよ!」

「約束!」


今よりずっと小さな小指で指切りをした。

一緒にインターハイに行こう。

小学生だった俺達が交わした……大きくてキラキラ輝いている約束。