栞奈side

谷先輩はそれ以上は教えてくれなかった。

後は本人に聞けって言われた。


でも……そんなこと言われたって……。


「大和……」

「ん?」

「アキ君のとこ……行かなくていいの?」


あたしがそう聞くと、大和は少しだけ黙りこんだ。


「……今はいい。
試合が終わってから、ゆっくり聞く」


……大和、ものすごく気になってるんだね。

さっきから落ち着いてないよ。


先輩達もそれに気づいてるのか、若干心配そうに大和を見る。


「……高瀬先輩、大丈夫ですかね」

「さぁな。
もしかしたら中山は……大和と栞奈に何か隠してるのかもしれねぇな」

「だとしたら、大和が今まで思ってたことはー……全部違ったってことー?」

「……そうなるな。
今……少し動揺してるのかもな」


先輩の言う通りかもしれない。

大和は今……心の整理がついてないのかも。

だって……あたしだってよく分からないもん。