秀華優勢のまま始まった第2クォーター。
相変わらず俺のマークはキツい。
……負けられない。
負けたくない。
『俺の苦手な選手ですか?
あー……まぁ、強いて言うなら谷先輩ですね』
『お前……それ本人の前で言うか?』
『だって本当ですもん。
先輩に絡まれたらシュートできないし』
『絡まれたらって……』
『味方だと心強いけど、敵だったらキツイっすよ、絶対』
……そんなことを話したことがある気がする。
実際に……キツイ。
前にストバスで1on1したときは抜いたけど……あれはどこから出たかも分からない力が働いて、谷先輩は手を抜いてたから。
……だけど、またあの力が出たら。
もしかしたら抜けるかもしれない。

