だが、その後も俺は止められてばかり。
パスを回すことはあってもシュートまで持ち込めない。
……完全にマークされてる。
そうこうしているうちに、第1クォーター終了。
秀華優勢だ。
「DF王子……爽やかな顔してしつこいな」
「ウチのエースが止められてるからな……」
「大和をとめて戦力ダウンさせようってことっすか……」
ドリンクを飲みながら先輩達の話をチラッと聞く。
やっぱ強い……。
……でも、おれの血が騒ぐ。
あの谷先輩と戦ってる。
仲間として二年間一緒にたたかってきた谷先輩と。
……相手が強けりゃ強いほどやりがいがあるってもんだ。
「大和、どうだ?」
「やりにくいっすよ。……でも……」
俺はドリンクとタオルを置いて立ち上がった。
「抜いてみせますよ、絶対」

