ロッカールームを出ると、俺は栞奈を探しにその辺を歩いた。
アイツ、どこ行ったんだろ……。
まさか迷子に……。
……いや、そんなにアホじゃないな。
「大和」
「……谷先輩?」
振り返ると、谷先輩と……なぜか栞奈が一緒にいた。
「栞奈?」
「あぁ、迷子になってたから連れてきたんだよ」
……そんなにアホだった。
「……すみません」
「いいんだよ。
栞奈が迷子になるのなんて慣れてるしな」
「……ごめんなさい」
ショボンとした栞奈の頭を撫でてやると嬉しそうに笑った。
マジでチワワみたい……。
「本当に仲良いよな、お前ら」
「そうですか?
……あ、そうだ。
この前姉御が来たんですよ」
「あぁ……楓が言ってた。
アイツ……他校に行っても暴走してたらしいな」
はぁ、と谷先輩はため息をついた。
中学を卒業してからも谷先輩の苦労は耐えない。
ま、中学の時迷惑かけてたのは俺だけどな。