大和side

パタン、とロッカーを閉める。

閉じたロッカーを見ながらゆっくりと深呼吸をした。


……準決勝。

DF王子と呼ばれる谷先輩との試合……。


「……ヤバ」


ウズウズしてる。

早く試合したくてしょうがない。


「大和。
緊張してないだろうな?」

「大丈夫ですよ。
いつでもオッケーです」


準備は万端だ。

……あ、でもその前に。


「ちょっと外出てきます」

「早く帰ってこいよ」

「了解です!」


俺はいそいそとロッカールームを出ていった。


「高瀬先輩、どうしたんですかね」

「多分カンちゃんのところでしょー」

「アイツらいつになったらくっつくんだよ……」

「ナグさん。
くっついたらくっついたで、きっとイチャつきまくりますよ」

「それはそれで……」

「俺達が持たないな……」