あれから二年。

今でも中学の頃の仲間とは連絡を取り合ってる。


村山君は中学でバスケを辞め、高校ではバイト三昧だって言ってた。

そして……


「あ………」

「どうしたの?」

「いや……またメール。
石尾から」


石尾君はあの時大和と勝負してから、すっかり大和になついた。

今では大和が憧れの存在なんだって。


「石尾君はこの前会ったけど、村山君には全然会ってないな~……」

「あー、ムラケンね。
アイツ今コンビニでバイトしてんだっけ」

「すごく優しかったんだよ。
あたしが泣いてるときにハンカチ貸してくれたり……」

「……は?」


ケータイに視線を落としてた大和が突然顔を上げた。


「何?」

「おま……それ、何の話?」

「え?
大和が部活休んでたときだけど」


マジかよ……アイツ……

とブツブツ呟く大和。

変なの。


「大和!岬!
帰ろうぜ!」

「あ、蓮ちゃんだ。
蓮ちゃーん!!」


手を振ると、蓮ちゃんは笑顔で手を振り返してくれた。


「大和、行こ!」


あたしはギュッと大和の手を握った。

小さい頃みたいに……。


「……そうだな」


大和も優しく握り返してくれた。

あたし達は一緒に蓮ちゃんのところへ走った。


準決勝前日の出来事――