一年生はビクビクしながら大和の方を見た。


「確かに俺は暁弥に一度も勝ったことはない。
だけど、そんな理由で追い出したりしない。
……俺はアイツとバスケをするのが好きだった。
アイツは自分から辞めていった。
ウソだと思うなら先輩達に聞いてみろ」


……大和。


すみません!と一年生達が大和に頭を下げる。

そんな一年生達の中で唯一頭を下げなかった……石尾君の方を大和は見た。


「石尾」

「……何ですか」

「お前、俺のこと弱いって言ったよな」

「……そうですけど」


大和は床に落ちてたボールを拾い上げた。

器用に指先でクルクル回す。


「弱いかどうか、自分の目で確かめてみろ」

「え………」

「やろうぜ、1on1」


あ……あの顔。

久々に見た……大和のバスケ馬鹿な顔。

……うん。

やっぱりバスケやってるキラキラしてる大和が一番カッコイイよ。


「よかったな、岬」

「うん!」

「目がハートになってる」

「へっ!?!?」

「ははっ!顔真っ赤!」

「ムラケン!!!」

「ヤバッ……大和、男の嫉妬は見苦しいぞー」

「う、うるせぇよ……!」