栞奈side

だんだん大和の表情が暗くなっていった。

大好きなバスケをしてるときも楽しそうじゃなかった。

辛そうな顔をずっとしていた。


あたしはそんな大和を見てるのが……辛くてたまらなかった。


最初は優しさから始まった。

アキ君が辞めた理由を石尾君に教えない方がいいと大和は思ったんだ。

まさかそれが思わぬ方向に行くなんて思ってもみなかったけど。


……あの時。

あたしが職員室から体育館に戻ろうとしていたとき。

大和が一人でブラブラしているところを見かけた。

でも、その時の大和は……今にも押し潰されそうで……壊れちゃいそうだった。


『……疲れた』


あれが大和の本音だった。


後輩に悪者にされ、同級生にも見放されて。

部長なのに誰も言うことを聞いてくれないし。

そのクセ、いつも責任は大和にある。


……本当に潰れちゃいそうだったんだ。


見てられなかった……。