「石見。お前、読書感想文どうした」
「あ・・・・」

やってしまった。
宿題を忘れてしまった。いや、やろうとしたさ。本まで読んださ。でも、読んだっきりだったさ。終わった気でいたさ!

仕方がない。放課後の間で終わらせることにした。

そういえば。最近行っていないが、高津は相変わらずソファーを占領しているのだろうか。
図書館の戸を開けた。やはり居た。偉そうに足を組んでいる。
「よう」
声をかけると、「おう」と返してくれた。
他に人は居ないらしい。
こりゃ丁度いい。クーラーの一番効く場所に座り、原稿用紙に書き始めた。