息子はぐっすり寝てしまった。
ご飯を食べている間もずっと話続け、三人でバラエティ番組を大爆笑してみていたらあっという間に深夜だ。
二人でソファーに腰掛け、テレビを見る。
「あの子、学校で褒められたんだってね。字が上手いって」
「あと、読書感想文が上手いとも褒められたらしいぞ」
流石、俺たちの子だ。
二人で笑いあった。
「でも、どっちかの職には就かないだろうね」
「たぶんな。こいつは人としゃべりまくる仕事に就きそうだ」
「想像できるー」
子供の将来を語って盛り上がるとは、ずいぶんと親バカになったものだ。
「そうだ。今度、津和乃高校をモデルとした話を書くつもりなんだ」
「ほう。学園モノですか」
「そう。でさ、母校訪問してみない?」
「いいな。変わってるかな?」
「ボロくなってるだろうね」
そりゃそうだ。
「図書館のソファーは今だ健在かな?」
大人になった俺たちをソファーはどう迎えてくれるだろうか。
きっと、久しぶりの千沙に大喜びだろうな。
あの頃と変わらない、でかい態度で座る千沙を思い浮かべて少し笑った。