放課後テリトリー

気を取り直すように次の角を曲がった。
周りの壁が真っ黒だった。奥に何があるのか分からない。そう思ったとき、照明ライトがついた。
真っ黒なマント。
翻すように振り向いたのは、この世界を闇で埋め尽くそうと企んでいる魔王。
「よくぞここまでやってきたな。勇者ムラカミ。戦士スズキ。魔術師タカツよ。ここまで来たこと褒めてやる。だが、それもここまでだ!」
「行け!戦士よ!」
高津が魔王を指差した。
「いや!ちょっと待って!待った!ストップ!」
魔王が急いで止める。
「俺の話を聞けよー」
もはや威厳も何もない。
「さぁ魔王を倒してこの世界を守ってください!」
小さくて可愛いマスコットは後ろから応援するだけ。
「ほら。勇者頑張って」
勇者は剣を振り上げてみる。
魔王は一瞬たしろいたように見せたが、すぐに胸をそらして笑い出した。
「そんなものが効くとでも思ったかー!」
「ムラカミー。なんとかしてくださいよー」
「高津お前。遂に俺を呼び捨てにしたな」
「それでは皆さん。私の手に手を合わせてください」
小さくて可愛いマスコットは自分の右手を三人の前に出した。
「ここに皆さんの心をひとつにしてください!」
三人ともマスコットの手の上に自分のを重ねる。
「行け!俺たちの思い!」
そういうと、何故か魔王は雄叫びを上げて倒れた。
「万歳!魔王を倒しました!世界を救いました!」
なんだろう。めちゃくちゃ恥ずかしい。
そう思った高津だった。