やる気がない?そんなことはない。
一年なのに大役を任されるんだ。やる気が無い訳が無い。
自販機でジュースでも買うか。

売店に入ると、見覚えのある顔が売店ないに置かれているベンチに座っていた。
「あら。墨だらけ」
「高津か」
墨だらけというのは俺の手や顔を見てのことだろう。
これから洗うさ。
「・・・なんかテンション低いね。朝だから?血圧低い?」
お前は逆に朝から元気そうだな。
「練習してたからな」
「でも、あまり乗り気じゃなさそうね」

自販機に入れようとしていた小銭を落としてしまった。
「・・・そう、見えるか?」
「あ。見た目よ。いつもの様子を知らないから違いわかんないし」
高津にもそう見えるのか・・・。
高津は小銭を拾うと、俺に渡しながら、そうだ。と言う。
「放課後見に行ってもいい?」
「は?」
「ほら。こないだ見せてねって言ったじゃん。顧問は村上先生でしょ?たぶんお願いしたらOK出してくれると思う」
マジですか。
「いや、今は練習期間だし、皆集中してると思うし・・・」
「何言ってんの。私は図書委員よ!」
お前こそ何言ってんだ!関係ないし!!
高津の発言は本気だったらしく。放課後、本当に書道部の部室に来た。