「由秋「絢乃、学食ー」」


「ゆあ「絢乃、移動ー」」


「ゆ「絢乃ー!」」


一緒にアイスを食べてから、二週間くらい。


あたしはあいつを避けまくってた。


「ちょっと由秋、いい加減やめなよ」

「何が?」

「李月くん。かわいそうだよ」

「別に何もしてないよ。前と変わらないじゃん」

「……そうだけど、」


絢乃は心配そうにあいつを見るけど、そんなの気にしない。


もともとあいつとあたしは世界が違う。あいつが気まぐれで勉強教えてくれただけだし。お礼とか言って、結局アイスおごってもらって、こっちが得したし。今まで通りに戻った、だけ。



なのに。


なぜかあたしはぽっかり穴が開いた気がして。あいつは前より作り笑いが分かりやすいし。


あたしのせいなの?



……ま、どうでもいいけど、ね。