「美鶴大丈夫だった!?」

厨房に戻ると、彩菜ちゃんがすごい勢いで聞いてきた。

きっとさっきの光景を見ていたんだろう。

「大丈夫。心配してくれてありがとう」

「やっぱり美鶴かわいぃぃぃぃ!」

「ほえっ!?」

急に抱きしめられたあたしは思わず変な声を出してしまった。

「あ、彩菜ちゃん・・・」

「おい、お前いつまで抱きついてんだよ。劇の時間だよ」

そう言ってあたし達を引きはがした御影君。

「「了解!」」

あたし達が返事をしたと同時に、霧生君の明るい声が。

「ご来店ありがとうございます!これより、短編劇を始めたいと思います。是非お楽しみください」

そう言って笑顔で優雅に一礼した霧生君。

黄色い声が上がったことは言うまでもない・・・。