「すいませーん」

「はーい。お待たせいたしました。ご注文はお決まりですか?」

あたしが向かったテーブルにはチャラそうな男が3人座っていた。

「えっと~・・・。コーヒー3つ」

「かしこまりました。少々お待ちください」

そこから立ち去ろうとしたあたしを引きとめたチャラ男1。

「ちょっと待ってよ~。君でしょ?音葉美鶴ちゃんって」

「?そうですが。それがどうかしました?」

こっちは忙しいんだから腕離してください・・・。

それにあなたに触られたところ気持ち悪いんですよ・・・。

なんて思いながらも一応客であることに変わりはないし、笑顔を絶やさないあたし。

「いや~。噂通りの子だなって思ってさ~。いや。噂以上かも」

「ってことで、俺達と遊ばない?」

「申し訳ありませんが忙しいので。失礼します」

あたしは無理やり腕を振り解くと、急ぎ足で厨房へと向かった。