「彩菜ちゃん、大丈夫?」

あたしが厨房に向かうと、彩菜ちゃんと2人の男子がせっせと動いていた。

飲み物とか、軽食だけだからそんなには忙しくならないだろうと思ってたんだけど、予想以上の込み具合だからね・・・。

「美鶴!今はなんとか大丈夫。美鶴はじゃんじゃん注文取ってきて!」

「分かった。でも、大変になってきたら呼んでね。手伝うから」

彩菜ちゃんだってせっかくコスプレしてるのにもったいないじゃん?

「ありがとう。その時は遠慮なく呼ばせてもらうわ。はい、これ。よろしく」

あたしは注文票を置くと、彩菜ちゃんから注文の品を受け取って接客に戻った。


「お待たせしました」

さっき接客したイケメンのところにコーヒーセットとカフェオレセットを運んだあたし。

あの後お友達らしき人が来て、カフェオレセットを頼まれたの。

そのお友達がこりゃまた、すんごいかわいい顔してて・・・音楽科じゃないのが不思議。

だってアイドルになれそうなのにもったいないじゃん?

声だって綺麗なのになぁ・・・なんて思いながらも、あたしは2人の前に品物を置いた。