「ご注文はお決まりでしょうか?」

「それが迷ってて」

そう言って目を伏せるイケメン。

何処かで見たことがあるような・・・。

でも、音楽科の生徒じゃないはずだし・・・何処でみたんだ?

ってそんなこと言ってる場合じゃない!

これだけ忙しいんだからスムーズに回さなきゃ!

「どちらでお迷いですか?よかったら私と決めましょう」

そう言ってにっこりほほ笑んだあたしは、メニューに視線を落とす。

「えと・・・これとこれで・・・」

「そうですね。それでしたら、こちらの方が男性には人気のようですよ」

「じゃあそれで」

「かしこまりました」

あたしはぺこりと頭を下げると、厨房へと向かった。