「もう少しだ」

「合格できなかったらどうしよう」

「大丈夫よ。練習してきたじゃない」

あたし達の発表はもうすぐ。

落ち着かない霧生君をおもしろそうにいじる御影君。

彩菜ちゃんが霧生君を落ち着かせようとしてるけど・・・。

「俺本番前の緊張嫌い・・・」

「そんなんでよくアイドルになろうと思ったよね」

「うっ・・・ステージに立てば緊張おさまるんだけどさ・・・」

「・・・それおかしくね?」

皆揃ってそんな言わなくてもいいんじゃないかな・・・。

「・・・霧生君。大丈夫だよ。あたしたちなら必ず合格できる」

「音葉・・・」

私は霧生君の手を握ると優しく微笑んでそう言った。

彼は最初は驚いていたけれど、笑って見せてくれた。