「マイクどうぞ」

「ありがとうございます」

お礼とともに微笑むと、スタッフさんは少し顔を赤く染めた。

「い、いえ。頑張ってください」

「ありがとうございます」

あたしはそんな彼に首を傾げながらも再び微笑んだ。

「それじゃあ音楽かけるんで、本番と同じように動いてください」

「おい、お前等!中途半端なことはすんじゃねぇぞ!」

「「「「「はい!」」」」」

先生の言葉に気合いっぱいで返事を返したあたし達。

それと同時に流れ出した音楽。

何故か体が勝手に動いてくれる。

あたしはすっと息を吸い込むと、歌い始めた。

振り付けだけに意識をとらわれすぎないように歌う。

いつもより調子がいいと感じたあたしは満面の笑みで演技を続けた。