「リハーサル初めたいと思います」

あたしが視線をそらしたと同時にスタッフさんから声が掛けられた。

「「「「お願いします!」」」」

「・・・お願いします・・・」

声を揃えて返事を返したあたし達とは対照的に沈んだ声を出す永遠君。

スタッフさんはその姿に首を傾げた。

「気にしないでください。彼は緊張しているだけですから」

魁人君の言葉に納得したような表情を浮かべたスタッフさん。

「おい魁 「うるさい」」

文句を言おうとした永遠君の声にかぶせるように言い放たれた言葉。

邏生君は静かに彼を睨んでいた。

その光景を前に彩菜ちゃんと先生は笑いを堪える。

「リハーサル、始めてください。お願いします」

あたしはそれを横目にスタッフさんに告げた。

「それじゃあリハーサルに入りたいと思います」

スタッフさんの言葉でその場の空気が変わったのだった。