「そろそろリハーサル始めるぞ」

そう言って舞台袖からひょっこりと顔を出した先生。

「了解~」

「ほれ水」

「先生サンキュ~。はい、美鶴」

彩菜ちゃんは先生に投げ渡されたペットボトルを開けると、軽く口に含んだ。

あたしも彩菜ちゃんから回ってきた水で喉をうるおした。

「いいな~。俺も女子用ので飲みたい・・・」

「何言ってんの?」

永遠君の言葉に冷めた声で返事を返す彩菜ちゃん。

「だって男同士の関節キスとかキモくね!?それに対して女子のは綺麗というか・・・」

「黙れ変態」

「普通、関節キスとか気にしねぇよ」

魁人君と邏生君の冷静な暴言を受けた永遠君はあたしに救いを求めるかのような視線を向けて来た。

「・・・永遠君は男の子だもんね。変態なのはしょうがないよね」

あたしは引きつった笑顔でそう答えると、視線をそらした。