「…何してんだよ。
秋さん。」
「え。」
聞き覚えのある声。
振り向くと、いるはずのない莉雨が立っていた。
「どうして…。」
「おかしいと思ってさ。
すんごい振り向いてたし。
家に入ってこないし。
窓から秋さんとお前が会ってるの、見えたから。
追いかけてきた。
秋さん。
俺はお前と結婚するつもりはない。
父さんにも言ったし、了承済みだ。
秋さんもおれなんかにこだわんないで自由にしろよ?
自由に好きな人と幸せになりなよ。」
「…最低。」
「え。」
ぷつりとつぶやいた。
その声はとても悲しそうで。
メニュー