「莉雨、医者にならない?」 母さんが初めて俺の進路に口を出したときだった。 「なんで?」 あんなんでも俺らの父であり、大切な人。 息子である俺らがいなくなった以上、後を継ぐ人がいない。 そんな現段階。 兄貴は今更変えらんない。 残されたのは俺だった。