それはもういなくなってほしくないから。 ずっとそばにいてほしいから。 もういなくなるなんて。 あんな思いはしたくない。 「琴音。」 「なに?」 「おれがどんな思いで戻ってきたか分かる?」 莉雨くんの真剣なまなざしがあたしを見詰める。 あたしはそのまなざしから目をそらしたくなった。