最愛〜最高の涙を君と…〜







「何してんのこんなとこで」




後ろから抱きしめたまま
あたしの肩に顎をのせて
一ノ瀬颯はそう言った。




「…別に、とりあえず離して」



そう言うとあたしを
解放した一ノ瀬颯。



「あんたさ、女がこんな時間に一人でいたらナンパ待ちだって思われても仕方ないよ」

「……」



本当むかつく男だ。
あたしはなにも言わず
この場を去ろうとした。








―――――グイ。



「っ!」



さっき男に掴まれていたところと
同じところを掴まれた。
これ絶対あざできてるよ…。



「あぁ、ごめん」




そう言って掴んだ腕を離して
一ノ瀬颯はあたしの手を握った。