もーなんか…
どうでもいいや。
あたしなんて…。
そう思った瞬間、
シトラスの香りとともに
後ろから何かに包まれた。
「ん?」
あたしの腕を掴んでいた男が
いきなり動かなくなった
あたしの方に目を向けた。
正確にはあたしの後ろの方に。
「…?」
固まっている男2人。
誰?そう思って後ろを見上げると、
「一ノ瀬颯?」
一ノ瀬颯はあたしに
見向きもせずに男2人を見ていた。
そして、少しの間が空いて
男はあたしの腕を離して
「い、一ノ瀬さん…」
「す、すいませんでしたっ!!」
「俺ら一ノ瀬さんの彼女って知らなくてっ!」
「「し、失礼しますっ!!!」」
そう言ってどこかに
行ってしまった。

