駅前にある居酒屋。
22時までなら高校生の
あたしでも働けるらしい。
時給もいいし、学校の帰りにも
行きやすいからここを選んだ。
「えっと、早瀬…麗さん?店長の丸岡です」
渋めの40代前半くらいの
おじさんが出て来て、
あたしの履歴書を見ながら言った。
「はい。よろしくお願いします」
「高校1年生か…。ん~…」
何?電話のときにも
年齢は言ったよね?
「失礼だけど、ご両親は?」
「…え?」
「一応未成年だし保護者の許可がいるんだよね」
「あ…両親は小さい時に事故で2人とも…」
「そうか…悪かったね」
「……いえ」
難しい顔をしながら
何か考えているような店長さん。

