「あ、山都だっ!!」
校門のところに山都がいた。
女の子に囲まれてる。
「あ!3人ともおはよ!」
女の子の輪から抜け出して
笑いながらあたしたちの方に
走ってくる山都は犬にしか見えない。
…柴犬?
「朝から女に囲まれてデレデレしてんじゃねーよ」
「なっ!そんなんじゃねーよ!いきなり囲まれて困ってたんだよ」
「そーよ。瞬と一緒にしちゃ山都がかわいそう」
「ざけんな夏帆!俺がいつデレデレしたんだよ」
「冗談でしょ。ムキになっちゃって」
「真顔で言う事か!」
そういえば、昨日
一ノ瀬颯に猫みたいとか
言われたっけ。
………なしなし。
今のなし。
なんで朝っぱらからあいつの
ことなんて……。
そう思いながら下駄箱を開けたら…。
「ん?」
あたしの内履きの上に
紙切れが一枚。

