今日は親4人が
腕によりをかけて
ご飯を作っているらしい。
テレビの前には
ソファで一人、翔君が
くつろいでいた。
「おーおかえり。夏帆、邪魔してんぞ」
大きい3人掛け用のソファに
一人でゴロンと横になる様は
とてもじゃないけど他人の家に
お邪魔している風には見えない。
「翔君、本当に我が家の用にくつろいでるね」
「あ?我が家も同然だろ?」
「まぁ、いいけどね」
「あ、そういやーお前らすげー噂になってんぞ」
ん?噂?
「あーみたいだね」
「まじ迷惑だっつの」
夏帆と瞬は知っている様子。
「ちょ、なんの話?」
実は翔君もあたし達と
同じ高校の3年生。
背も高くて瞬より
少し大人びた顔立ち。
きっとモテているに違いない。

