一ノ瀬颯は瞬を一瞬見たけど
何も言わず保健室を出て行った。
「ちょ、ちょっと麗ー!!!」
「うわっ、なに?」
夏帆があたしに抱きついた瞬間
張りつめた空気も和らいだ。
「説明しなさいよぉ!!」
「え、なにが…ていうか放課後?あたし寝過ぎ?」
完全に一ノ瀬颯の事だけど
あたしは分からないふりをした。
「昼に一度起こしに来たけどあんた起きなかったの!てか、とぼけてんじゃないわよ」
「おい、俺も聞きてー」
いつもより遥かに
怖い顔をした瞬も加わった。
「いやいや、待って。2人こそあいつと知り合い?」
なんか知ったような
口ぶりだったよね。

