「失礼しまーす」
こんなこともあろうかと
保健室の場所は把握済みだ。
「あら、どうしたの?体調悪いの?」
小太りの優しそうなおばさんが
あたしに向かって声をかけた。
「………お腹痛くて」
「あら、困ったわね。本当、顔色が良くないわ。う~ん……私今から少し出なくちゃいけないのよ」
色白で助かったかも。
いなくなるとか余計好都合。
「あ、寝ててもいいですか?」
「えぇ、いいわよ。でも…大丈夫?一人で」
「平気です」
「じゃあこれ、薬」
落ち着いた笑顔で
あたしに薬を手渡し、
安静にね、と行って
先生は出て行ってしまった。

